点滴のニキビ治療は効果なし?そんな噂を聞いたことがあるけど本当のところどうなのか知りたい人にご案内したい、点滴によるニキビ治療の詳細とその効果について調べました。点滴による体内からのアプローチはニキビ治療にどれぐらい期待できるのでしょうか。

ニキビが治る点滴ってあるの?

ニキビ治療と聞くと思い浮かべるのが、患部に塗りこむ塗り薬、洗顔や化粧水などによる日常のケア、またクリニックで受けるレーザー治療などが主なものではないでしょうか。それら全てに共通しているのは直接ニキビに対してアクションを起こす方法です。

 

しかし、それ以外の方法として点滴によるニキビ治療というものが存在しています。点滴は割と重い症状で病院を訪れた時に受けるイメージがあるかもしれません。だとすると、ニキビに効く点滴には抗炎症剤のような薬などが含まれているのでしょうか?実はニキビに効く点滴にはそのような医療成分は配合されていません。ではどうニキビの改善に関わってくるのでしょうか。

ニキビができる原因

そもそもニキビができてしまう原因は皮脂の過剰分泌により毛穴が詰まり、アクネ菌(主に顔)やマラセチア菌(二の腕や背中、胸など)といった細菌が、その毛穴に詰まって酸化した皮脂(過酸化脂質)を餌に増え炎症を引き起こします。

 

アクネ菌やマラセチア菌は常在菌のため、完全に除菌することはできません。しかし、これらの菌は空気に触れていると悪さをしないため、いるからといって必ずニキビになるわけではありません。毛穴が詰まって餌になる皮脂があるという条件が揃うと増殖し始め毛穴の炎症を引き起こします。

 

皮脂の過剰分泌が起きる原因は主に男性ホルモンの影響です。思春期やストレス、女性の生理などでホルモンバランスが崩れることで男性ホルモンの分泌が増え皮脂の過剰分泌が起きます。また生活習慣によってもニキビができやすい場合があります。たとえば脂ものばかりでビタミンの不足したバランスの悪い食生活や、肌に合っていない化粧品の使用などが原因となっている場合もあります。

ニキビ、ニキビ跡に対する点滴とは?

ビタミン点滴

ビタミン点滴は主にビタミンB群(B2,B6)、ビタミンCといった成分で構成されています。またクリニックによってはこのほかにL-システインやビタミンH(ビオチン)、パントテン酸、ニコチン酸といった成分も含ませている点滴が用意されている場合もあります。

 

先ほど、ニキビができる原因としてビタミンの不足を挙げましたが、ビタミンは体内では合成できない人間が生きて行く上で必要不可欠な成分です。具体的にビタミン点滴の成分として配合されている成分の働きについてご説明します。

 

  • ビタミンB2
    水溶性の成分。細胞の再生や免疫力を高める働きがあり、粘膜や肌の健康維持や成長に関わります。ビタミンB2の不足は脂質の代謝が落ち、新陳代謝の激しい口の周りの皮膚に炎症が起きやすくなったり、脂っぽい肌になります。

 

  • ビタミンB6
    水溶性の成分。タンパク質の分解、合成といった働きに関わるエネルギー代謝に欠かせない成分で、肉や魚、卵などをたくさん食べる人はビタミンB6も多く摂取する必要があります。ビタミンB6が不足すると代謝異常が起き皮膚や粘膜に炎症が起きるなどのトラブルが起きやすくなります。 
  • ビタミンC
    水溶性の成分。抗酸化作用が高く、過酸化脂質の生成を抑えることができます。肌や粘膜の健康維持に欠かせず、肌のハリやシミの予防といった美肌効果も高い成分です。またストレスに強くなるといった効果もあります。

 

これらの成分は、直接ニキビだけに効くのではなく広く美肌効果が期待できるため、美容点滴や美白点滴と呼ばれています。

高濃度ビタミンC点滴

高濃度ビタミンC点滴は、もともとがん治療に用いられている療法であり副作用として患者の肌が白くなったため美容療法としても用いられるようになりました。ビタミンCの肌への作用は前述したとおり欠かせないものとなっており、また皮脂の酸化も防ぐためアクネ菌などの活動を制御する効果が期待できます。

 

ビタミンCをサプリメントなどで服用した場合、消化管で分解されるためすべては吸収されませんが、点滴で投与した場合は直接高濃度のビタミンCが血管に流れ込みますので体の隅々まで行き渡らせることが可能です。ニキビ治療だけでなく美肌効果や疲労回復、免疫力増加などの目的で点滴を受ける人もたくさんいる療法です。

プラセンタ点滴

プラセンタ点滴とは、胎盤から抽出した成分を点滴として体内に取り込む療法となります。胎盤にはヒトや馬、豚などの胎盤を原料としたものがありますがプラセンタ注射や点滴はヒト胎盤由来のものが使用されるケースがほとんどです。

 

プラセンタには美白効果や保湿作用といった美肌作りには欠かせない効果があります。また細胞の増殖や再生を高め免疫力を高めるといった効果もあるため、ニキビ治療にも適していると言えます。

 

なお、プラセンタ点滴にはいくつか注意点があります。まず、日本胎盤臨床医学会ではプラセンタの静脈注射及び点滴注射は推奨しておらず、皮下または筋肉注射が定められた使用方法としています。法律で禁止されているわけではありませんが万が一アナフィラキシーショックなどの医療事故が起こっても医師の責任となり副作用救済の対象にならないため注意が必要です。

 

また、プラセンタ点滴、注射を受けた場合、それ以降献血で自分の血液を提供できなくなります。プラセンタの原料である胎盤にクロイツフェルトヤコブ病(狂牛病と同様の病気)といった病気が混ざっていた場合の安全性が確立できていない為です。しかし、ヤコブ病の場合出産ができず、また原料となる胎盤は健康な母体のものしか使用しないため原料としてそのようなものが紛れ込む可能性はないと考えられています。また、その他のウイルスや感染症に関しても厳重に検査されています。

点滴の効果は?

ニキビの改善は期待できるけど…

総合的に見て、点滴でのニキビ治療には解熱剤や痛み止めのような即効性はなく、徐々に体質を改善してゆくことが目的となります。またニキビだけに特化しているわけではなく、広く美肌や健康維持を目指す上で効果的な方法となります。症例によってはニキビ改善に多少時間がかかるかもしれませんが肌だけでなく体全体の健康状態も向上しますし、ニキビになりにくい体質作りにも効果があります。

点滴をするなら

もし、ためしに何れかの点滴を試してみたいと思う場合は、まずはビタミン点滴か高濃度ビタミンC点滴が良いでしょう。サプリと比べると成分の吸収率が格段に違いますので効果を実感しやすいと思われます。また、ニキビはホルモンの影響も高いため、ホルモン療法を併用すると相乗効果で更に高い効果が期待できます。ニキビ治療をする場合は、点滴をメインの治療とはせずに基本は肌の手入れをしっかり行い点滴は補助的に行うと良いでしょう。

点滴だけに頼らない

いかがでしたか。ニキビ治療に使用される点滴は幅広くさまざまな症状の改善にも効果的です。ただし、これらはすべて保険適用外となり体質を改善するには複数回点滴を受ける必要があります。点滴だけに頼らず、不規則な生活や合わない化粧品など、日常生活で改善できるポイントを見直しながら強い素肌つくりを目指しましょう。